特許権侵害で訴えられたとき『単純否認』で逃げ切れるのか

11.10


 

弁理士の富田です。

特許権が侵害されたとき、特許権者は、差止や損害賠償を求めて裁判所に訴えることができます。
このように裁判所で争う事態に至っているときには、通常、権利者と侵害被疑者との間で、特許権侵害の成立等について争いがある場合がほとんどなわけですが、このような場合、被告となった被疑者は、単に「否認する」といった単純否認で侵害を否定できるのでしょうか。

特に、材料などの製法特許について侵害に争いが生じている場合には、
侵害被疑者のプロダクトそのものを見ても製法を判別できないため、
侵害の成否を明らかにするためには、被告側が具体的にどのようなプロセスで製造しているのかといった具体的情報が不可欠となります。

そのため、このような製法特許に関する侵害訴訟において、
被告が単純否認に徹し、否認の理由を一切述べないことが許されるとすると、
製法特許についての侵害事実の立証が非常に難しくなり、特許権者にとって著しく不利になります。

そこで特許法では、被告が特許権侵害を否定する場合には、
原則として、侵害否定の理由を裏付ける具体的根拠を明らかにすることを被告側に義務付けています。(特許法104条の2)

例えば、材料などの製法特許について侵害の争いが生じている場合において、被告が侵害を否定するときには、
自己がどのようようなプロセスでそのプロダクトを製造したのかについて具体的に開示し、
自己の製法と特許製法との違いを積極的に明らかにすることが求められます。

したがって、特許権侵害で訴えられたとき、
単に「違う」や「侵害していない」といった単純否認では侵害訴訟を逃げ切ることができないことになります。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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