特許や商標などの知的財産権を『会社名義』から『社長個人名義』に変更する場合

06.08


特許や商標などの知的財産権を『会社名義』から『社長個人名義』に変更する場合

 

弁理士の富田です。

 

『会社が所有している特許権と商標権を、社長個人の名義に変更したい』

この類の相談を受けることが比較的多くあります。

 

このような移転が必要になる背景には、様々な経営上の事情があるわけですが、

実は、このような「会社名義 → 社長個人名義」の権利移転は、
利益相反行為とみなされるため、

通常の「譲渡証書」の準備に加えて、商法265条による取締役会の承認を得る必要があります。

 

つまり、
単に『譲渡証書』と提出しただけでは、
「会社名義 → 社長個人名義」の権利移転はできないことになります。

もちろん、
家族経営などで、取締役会の承認が簡単に得られる場合は問題ないのですが、
ある程度の規模の会社になると、取締役会の承認を得るのは、なかなか面倒だと思います。

 

一方、
特許権や商標権が権利化される前
つまり、申請中の段階(特許出願や商標登録出願の段階)であれば、

「会社名義 → 社長個人名義」といった利益相反に該当するような権利移転でも、
取締役会の承認を求められることなく

譲渡証書だけで「申請に係る権利」の移転を行うことができます。

 

したがって、
特許や商標などの申請を行っている法人で、
将来的に、「会社名義 → 社長個人名義」の権利移転が想定される場合には、
登録前の『申請中』の段階で権利移転することが得策といえます。

 

なお、
手続き上の負担を最小限に抑え、且つ、印紙代が無駄にならないように、
申請中の案件の権利移転は、登録の許可(特許査定や登録査定)が通知された直後に行うのが
もっとも得策であるといえるでしょう。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ コンピュータハードウェア、ナビゲーションシステム、メカトロニクス、医療機器、内視鏡、ビジネスモデル、土木技術、掘削装置などの特許技術を担当。
■ 特許の権利化業務では、国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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